さまざまなハーブを使ってチンキ剤を作っています。簡単に作れますし、少し風邪気味かなと思った時に、10倍ぐらいに薄めてうがいに使ったり、歯磨きのあとのお口の衛生にも使います。また、薬草酒として食前酒に飲んだりナイトキャップにも。保湿クリームや化粧水などの手作りコスメにも使ったりしています。
もくじ
チンキとは?
チンキ(ティンクチャー tincture)とは、ハーブをアルコールに浸けて有効成分を抽出した液状の製剤です。簡単に作れて1年間保存できます。
アルコール度数は、内外用としては40〜50%のウォッカや、96%のスピリタスなどがおすすめですが、35%のホワイトリカーでも大丈夫です。
また、外用のみとして無水エタノール99.5%を使用することができます。無水エタノールで作ったチンキ剤は飲用やうがいとして使わないようにしましょう。
写真前左から
- バジル
- ヤロウ
- セージ(残りわずか)
- オレガノ
写真奥左から
- セージ
- ドクダミの花
ドクダミのチンキ(ウォッカ50度)
↑ドクダミの花のチンキ in vodka(6月7日)
↑ドクダミの花のチンキ with vodka(1ヶ月後)
↑ドクダミの花を濾してチンキ剤完成
セージのチンキ(ヘンドリックスジン45度)
こちらはそのままでも美味しいヘンドリックスジンを使ったのでセージ薬草酒として。
チンキ作りにジンを使ってもいいの?
浸けたハーブだけの作用を生かしたいのであれば無色・無臭のウォッカやホワイトリカーがおすすめですが、ジンや他のお酒に浸けて作ることもできます。ジンそのものは、基本的にジュニパーベリーで香りづけされていますし、その他の薬草を使われていることもあります。そのためハーブの薬効を最大限に活かせない?と思われる方もいるかもしれませんが、「薬草酒としてさらにハーブをプラスしたお酒」と考えれば、飲むチンキとして水で薄めて美味しく薬効を摂り入れることができますね。
↑セージのチンキ
ヘンドリックスジンにもさまざまなハーブが使われているのでとても風味豊かで美味しいジンですが、さらにそこに薬草の香りをオリジナルでプラスするという感覚です。ぜひ楽しんでみてください。
↑セージの葉を濾したチンキ剤完成
セージチンキ剤の使い方
食前酒、ナイトキャップ※として水やお湯で薄めて飲む。
のどの痛みや、お口の衛生に。水で薄めてうがいする。
※ナイトキャップとは、寝る前に飲むおちょこ一杯分くらいの寝酒です。わずかな量は入眠、快眠にも良いとされています。
バジルのチンキ
バジルのチンキは虫さされ用のクリームに。バジルが元気すぎて一度濾したあと新しいバジルをさらに浸けたのでかなり濃厚に。クリームはだいぶ使いこんでます。これはハンドクリームにも使ってるので減りが早いですね。笑
オレガノは、抗菌、抗ウイルス作用があるので、今の時期なら消毒スプレーとして水で希釈して使うこともできます。また、鎮痛作用もあるので手作り軟膏にもおすすめです。
バジルやオレガノは精油で使用する場合は、濃度が高く有効成分に禁忌があるためプロフェッショナルな知識が必要ですが、フレッシュハーブやドライハーブはチンキにして外用剤としても使えます。もちろん、料理やハーブティー に使用することは言うまでもありませんね。
写真のバジルとオレガノは、無水エタノールを使用してしまったので、内用として飲めないのが残念ですね。(呑んべえではありませんよ)
どちらも強壮作用もあるので、滋養強壮酒としても1日ひとさじぐらい飲むのにもいいし、殺菌抗菌力も高いのでうがいや口腔衛生にもいいんですけどね。またウォッカで作ろう。
チンキ剤の作り方
10月に仕込んだヤロウのチンキ
ヤロウのチンキの作り方(無水エタノール99.5度)
今回はヤロウと無水エタノールを使って作る外用のためのチンキ剤作りを取り上げてみました。チンキの作り方はどんなハーブも同じですので、ヤロウだけでなく色々なハーブで応用してみてください。
ヤロウとは?
ヤロウとは、キク科のハーブで古代より戦士の傷の炎症を抑えたり止血剤としても使われていました。肌荒れや保湿にも良いのでハンドクリームとして、またお顔にも使えます。多年草で害虫にも強く育てやすいので毎年楽しめます。
準備するもの
ガラス密閉容器、コーヒーフィルター、ロート
材料
- ヤロウの葉 花もあれば是非一緒に
- 無水エタノール 外用として
またはウォッカ40度か50度かスピリタス99度(数字はアルコール度数)
作り方
- 消毒したガラス瓶に詰められるだけヤロウを入れる。この場合、フレッシュだと写真のように綺麗なグリーンになるが、乾燥したものだと茶色くなる。どちらもヤロウの薬効は同じ。
- 無水エタノールまたはアルコールを瓶の肩まで注いだらヤロウの葉が全てアルコールに浸かるようにする。
- しっかり蓋をして冷暗所に保存。1日一回は蓋をしたまま瓶を揺らしておまじない。
1〜2ヶ月後のチンキの処理
1〜2ヶ月したら中のハーブの成分が全てアルコールに移ってカラカラになるので、コーヒーフィルターで濾して濃い緑のチンキだけを綺麗な瓶に移して保管。直射日光に当たらなければ深い緑色も維持できます。ほぼアルコールなので1年間は充分使えます。使用するときは、雑菌が入らないようにすること、しっかり蓋を閉めることは注意してください。
チンキを使った保湿クリームの作り方
準備するもの
保存容器、ビーカー、鍋、水、混ぜ棒、スケール
材料
- ホホバオイル 30g
- シアバター 3g
- ミツロウ 3g
- はちみつ 小さじ1/2
- ヤロウチンキ 2ml
- 精油 4〜8滴
サンダルウッド、ローズウッド、イランイラン、ラベンダー、ゼラニウム、ローマンカモミールなど、お好みで。(保湿に良い精油を選んでいます)
作り方
1. ホホバオイル、シアバター、ミツロウをビーカーに入れたら湯煎して完全に溶かす。
2. やけどに気をつけて1のビーカーを湯煎から取り出す。すぐに固まってくるので、手早くはちみつを加えて底に残らないようにしっかり混ぜる。
3. チンキを少しずつ2のビーカーに加えて混ぜる。
4. 最後に精油を加えてよく混ぜたら容器に移して固まるのを待つ。完全に固まったら蓋をして冷暗所に保存。
2021年今年初めての投稿はハーブチンキ剤のレシピからスタートになりました。みなさん、今年もどうぞよろしくお願いします。
チンキ剤でハーバルライフをぜひ楽しんでみてくださいね!
Please enjoy your herbal life!