さまざまなハーブでチンキ剤を作って活用しています。(更新日2023-3-21)
少し風邪気味かなと思った時に、10倍ぐらいに薄めてうがいに使ったり、アロマスプレーや保湿クリームなどの手作りコスメにも使います。また、作り方によっては薬草酒として食前酒に飲んだりナイトキャップにも。
今回は、とっても簡単なハーブのチンキ剤の作り方と、使い方についてご紹介します。
もくじ
ハーブが元気すぎたらどんどん使いましょう、とても勢いのある5月〜7月ごろのハーブにはパワーがあります。密集すると蒸れてしまい虫もつきやすくなるので、風通しをよくするためにも、せっせと収穫して色々と活用していきましょう!
チンキとは?
チンキ(ティンクチャー tincture)とは、ハーブをアルコールに浸けて有効成分を抽出した液状の製剤です。
今のように、薬局や病院で処方されるお薬が作られるようになったのは19世紀に入ってからで、それまでは、薬草としてのハーブをさまざまな方法で治療に使われていました。その中のひとつの方法がチンキ剤です。
チンキ剤を作るときの材料は?
チンキ剤を作るために準備するもの
・清潔なガラス密閉容器
・ハーブ 適量
・アルコール 容器に入る分量
※ 無水エタノール(外用) または、ウォッカ、スピリタス、ホワイトリカーなど(内外用)
アルコール度数は、内外用としては40〜50%のウォッカや、96%のスピリタスなどがおすすめですが、35%のホワイトリカーでも大丈夫です。
また、外用のみとして無水エタノール99.5%を使用することができます。無水エタノール(飲用不可)で作ったチンキ剤は飲用やうがいとして使わないようにしましょう。
チンキ剤の作り方
- 清潔なガラス密閉容器に、ハーブを容器の2/3ぐらいまで入れる。
- アルコールを1に注ぐ。このとき、アルコールからハーブが出ないように、しっかり浸かるように注ぐ。
- 密閉して、ラベルに日付、ハーブ名、アルコール名を書いて冷暗所に保存。1ヶ月くらいしたらハーブを取り出し、コーヒーフィルターなどで濾して密閉ガラス容器に入れて、冷暗所に保存しながら使う。
動画でもご紹介しています
【最新動画 2023/5/28】
バタフライピーのチンキをブルーベリーのスムージーに入れてみました!同じ紫色でアントシアニンたっぷり!フレッシュハーブとクリームチーズをあわせてハーブチーズも一緒に^_^
出来上がったチンキ剤の使い方
動画もご参考にどうぞ
ハーブチンキの色を活用する(2023-3-21追加)
無水エタノールで作った外用チンキ剤
無水エタノールは飲用できないので、化粧水やスプレーを作るときの材料のひとつとして薄めて使ったり、軟骨や、肌の保湿クリームを作るときにも使うことができます。
ウォッカやホワイトリカーで作った内外用チンキ剤
外用としては、化粧水やスプレーを作るときの材料として、軟骨や保湿クリーム作りにも使うことができます。
また、ウォッカやホワイトリカーで作っているので薬用酒として、お水やお湯で割って飲んだり、薄めてうがい薬としても使えます。
実際に作ったチンキ剤のご紹介
ドクダミのチンキ(ウォッカ50度)
↑ドクダミの花のチンキ in vodka(6月7日)
↑ドクダミの花のチンキ with vodka(1ヶ月後)
↑ドクダミの花を濾してチンキ剤完成
セージのチンキ(ヘンドリックスジン45度)
こちらはそのままでも美味しいヘンドリックスジンを使ったのでセージ薬草酒として。
チンキ作りにジンを使ってもいいの?
浸けたハーブだけの作用を生かしたいのであれば無色・無臭のウォッカやホワイトリカーがおすすめですが、ジンや他のお酒に浸けて作ることもできます。ジンそのものは、基本的にジュニパーベリーで香りづけされていますし、その他の薬草を使われていることもあります。そのためハーブの薬効を最大限に活かせない?と思われる方もいるかもしれませんが、「薬草酒としてさらにハーブをプラスしたお酒」と考えれば、飲むチンキとして水で薄めて美味しく薬効を摂り入れることができますね。
↑セージのチンキ
ヘンドリックスジンにもさまざまなハーブが使われているのでとても風味豊かで美味しいジンですが、さらにそこに薬草の香りをオリジナルでプラスするという感覚です。ぜひ楽しんでみてください。
↑セージの葉を濾したチンキ剤完成
セージチンキ剤の使い方
食前酒、ナイトキャップ※として水やお湯で薄めて飲む。
のどの痛みや、お口の衛生に。水で薄めてうがいする。
※ナイトキャップとは、寝る前に飲むおちょこ一杯分くらいの寝酒です。わずかな量は入眠、快眠にも良いとされています。
バジルのチンキを使って肌ケアのクリーム作り
バジルのチンキは虫さされ用のクリームに。バジルが元気すぎて一度濾したあと新しいバジルをさらに浸けたのでかなり濃厚に。クリームはだいぶ使いこんでます。これはハンドクリームにも使ってるので減りが早いですね。笑
オレガノは、抗菌、抗ウイルス作用があるので、今の時期なら消毒スプレーとして水で希釈して使うこともできます。また、鎮痛作用もあるので手作り軟膏にもおすすめです。
バジルやオレガノは、精油で使用する場合は、濃度が高く有効成分に禁忌があるためプロフェッショナルな知識が必要ですが、フレッシュハーブやドライハーブをチンキにして外用剤として使うなら安心です。
もちろん、バジルやオレガノは料理やハーブティー に使用することは言うまでもありません。
写真のバジルとオレガノは、無水エタノールを使用してしまったので、内用として飲めないのが残念ですね。(呑んべえではありませんよ)
どちらも強壮作用もあるので、滋養強壮酒としても1日ひとさじぐらい飲むのにもいいし、殺菌抗菌力も高いのでうがいや口腔衛生にもいいんですけどね。またウォッカで作ろう。
ヤロウのチンキ剤
10月に仕込んだヤロウのチンキ
ヤロウのチンキの作り方(無水エタノール99.5度)
今回はヤロウと無水エタノールを使って作る外用のためのチンキ剤作りを取り上げてみました。チンキの作り方はどんなハーブも同じですので、ヤロウだけでなく色々なハーブで応用してみてください。
ヤロウとは?
ヤロウとは、キク科のハーブで古代より戦士の傷の炎症を抑えたり止血剤としても使われていました。肌荒れや保湿にも良いのでハンドクリームとして、またお顔にも使えます。多年草で害虫にも強く育てやすいので毎年楽しめます。
準備するもの
ガラス密閉容器、コーヒーフィルター、ロート
材料
- ヤロウの葉 花もあれば是非一緒に
- 無水エタノール 外用として
またはウォッカ40度か50度かスピリタス99度(数字はアルコール度数)
作り方
- 消毒したガラス瓶に詰められるだけヤロウを入れる。この場合、フレッシュだと写真のように綺麗なグリーンになる。
- 無水エタノールまたはアルコールを瓶の肩まで注いだらヤロウの葉が全てアルコールに浸かるようにする。
- しっかり蓋をして冷暗所に保存。1日一回は蓋をしたまま瓶を揺らしておまじない。
1〜2ヶ月後のチンキの処理
1〜2ヶ月したら中のハーブの成分が全てアルコールに移ってカラカラになるので、コーヒーフィルターで濾して濃い緑のチンキだけを綺麗な瓶に移して保管。直射日光に当たらなければ深い緑色も維持できます。ほぼアルコールなので1年間は充分使えます。使用するときは、雑菌が入らないようにすること、しっかり蓋を閉めることは注意してください。
チンキを使った保湿クリームの作り方
準備するもの
保存容器、ビーカー、鍋、水、混ぜ棒、スケール
材料
- ホホバオイル 30g
- シアバター 3g
- ミツロウ 3g
- はちみつ 小さじ1/2
- ヤロウチンキ 2ml
- 精油 4〜8滴
サンダルウッド、ローズウッド、イランイラン、ラベンダー、ゼラニウム、ローマンカモミールなど、お好みで。(保湿に良い精油を選んでいます)
作り方
1. ホホバオイル、シアバター、ミツロウをビーカーに入れたら湯煎して完全に溶かす。
2. やけどに気をつけて1のビーカーを湯煎から取り出す。すぐに固まってくるので、手早くはちみつを加えて底に残らないようにしっかり混ぜる。
3. チンキを少しずつ2のビーカーに加えて混ぜる。
4. 最後に精油を加えてよく混ぜたら容器に移して固まるのを待つ。完全に固まったら蓋をして冷暗所に保存。
2021年今年初めての投稿はハーブチンキ剤のレシピからスタートになりました。みなさん、今年もどうぞよろしくお願いします。
チンキ剤でハーバルライフをぜひ楽しんでみてくださいね!
Please enjoy your herbal life!
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